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【スラムダンク考察】井上雄彦の漫画は挫折したり、あきらめそうになったり、自分を否定しそうになった時に踏ん張る力をもらえる漫画だ。

スラムダンク感想 いわずと知れた高校バスケ漫画。 成長する過程をきっちり描いているから説得力がある。 漫画でも小説でもそうだが都合がよすぎると冷めてしまう。フィクション感がつよくなってしまう。 井上雄彦の漫画には説得力があるから好きだ。 桜木がどんどん変わる一方で流川や赤木は変わらない。 桜木の成長物語であり彼らはそのサポーターとしての役割を果たすからだ。 だが、クライマックスである山王戦では変わる。 山王戦が最高なのは桜木以外の成長がテーマになっているから。 桜木の葛藤や苦悩がガッツリ描かれてきた今までとは違い、赤木や流川の挫折が描かれる。 変わることがどれほど大変であるかがこの一戦で描かれる。 桜木と違って赤木や流川はそう簡単には変われない。 負けたことがねーからだ。 赤木はチームでは負けたかもしれないが個人では負けていない。 個人としては認められていたのだ。 今までの成功体験をすて、変わらなければいけないとき、必ず踏まなければならないステップがある。 負けを認めることだ。 負けという現実を直視することだ。 だから赤木がそれを悟るためには魚住が必要だった。 魚住は赤木に負けたくなかった。それでも最後の湘北-陵南戦で負けを認めた。 すべてはチームが勝つために。 自分がチームの主役となって赤木に勝たなくても、仙道、福田を活かして勝つことを目指した。 魚住の苦悩はずっと描かれてきた。赤木に負けまいと必死になった魚住が一歩を踏み出した瞬間は、赤木に対して負けを認めた瞬間だった。 赤木は山王戦で河田にぼこぼこにされる。完膚なきまでに負ける。 そして自分が勝たなければならないと追い込まれ、視野が狭くなる。 そして湘北の魂は消えかかる。 魚住は刺身のツマを使って自分がたどりついた結論に赤木を導く。 赤木は自分が負かせた魚住からヒントを得る。 自分が負けても湘北が負けるわけではない。 そこから赤木は河田との直接対決を避け三井へのサポートプレーを連発する。 個人では負けていることを認め、サポートに徹することを選んだ。 今までの自分を否定されたときにどう行動するのか。赤木はすべてを見失いそうになった。 勝ち続けてきたからだ。個人として負けることに態勢がなさ過ぎた。 流川はまさに最強のキャラだった。